バブル期に脚光を浴びたフリーターの現実
メーカー勤務の50代男性・Cさんは、「バブル期にフリーターがもてはやされたが、今とは勝手が違う」という。
「バブル時代あたりで、新しい働き方としてフリーターが脚光を浴びていたことがあったように思います。当時の日本は終身雇用が当たり前で雇用に柔軟性がなく、企業戦士として会社に尽くす前提だったようなイメージ。自分の意思を持っているようにみえるフリーターという働き方は、オシャレな印象さえありました。
でも、一度フリーターになるとなかなか抜け出せません。私生活重視の気持ちはよくわかりますが、正社員として重宝されるのは、若ければ若いに越したことないんです。長い目で見て考えてほしいなと思います。でも裏を返すと、今の若者が非正規という働き方を選ぶのは、“長い目”で人生を考えられないということの裏返しなのかな、という気持ちもある。そういった社会を僕も含めて、上の世代が作ってきてしまったんだなと……」
就職活動が厳しかった氷河期世代。令和の若者たちの非正規選択には、思うところがたくさんあるようだ。(了)