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【きょうだいトラブルの火種に】「家族信託と遺言書」に潜むリスク 親が認知症になる前に家族全員で確認すべきこと

家族信託できょうだいが対立することも

家族信託できょうだいが対立することも

 父親が認知症になった後、長男がいきなり「財産は契約ですべて俺に託されている」と言い出して、弟や妹が「そんなの聞いていない!」と不満の声をあげるといった事態が懸念されるわけだ。

 トラブルを避けるにはどうしたらいいのか。

 牧口氏は「契約を結ぶ前に親と子供たち全員で話をすること。また、契約の中で子供たちに役割分担してもらう方法がある」と指摘する。

「たとえば、受託者である長男が先に亡くなった時のために次男を『第二受託者』にするとか、受託者である長男を監視する権限を持つ『信託監督人』を次男に、契約を変更する権利などを有する『受益者代理人』を長女にするといった具合に、各人に役割を持たせることができます。毎年の盆暮れに集まった時に、受託者である長男が信託監督人である次男に親の通帳を見せながら支出などを確認してもらうといった手順を重ねることで、不信感が生じないようにできます」(牧口氏)

 認知症介護のために親の財産を有効活用できるというのは、本来きょうだい全員と親にもプラスの話のはずなので、家族会議の議題にして親の協力も得ながらうまく活用していきたい。

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