現代の美容は生涯現役社会の到来と大きな相関関係に
100年美容の時代において、Aさんのような男性は決して少数派ではない。「いまの男性はアンチエイジングに本当に熱心です」と語るのは美容ジャーナリストの近藤須雅子さん。
「クリニックを取材しても若返り効果があるといわれているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)サプリやエクソソーム点滴などは40代以上の男性がヘビーユーザー。その熱量は女性を凌駕しているとすら言えるかもしれません」(近藤さん)
美容皮膚科医として35年の経験を誇る田中優子さんのクリニックも男性患者が右肩上がりで急増中だ。
「とりわけ70代や80代の男性患者さんが『顔にできたシミやほくろを取りたい』と施術を受けにくるケースが多い。以前は『年寄りイボ』『死にぼくろ』などと言って放っておく人がほとんどだったものを、しっかり除去したいと考える人が男性にも増えています。その大きな理由は男女問わず年を重ねても働くことが当たり前の時代になったこと。社会の中で生きていれば清潔感を保っている方が人に好かれるし、老け込んだ人よりもきれいな肌ではつらつとした表情を浮かべた人の方が信頼されやすいのは明らかです。
また、男性患者さんは『自分に手をかける』ことへの恥じらいを持って、最初はためらいながら施術を受ける人が多いのですが、“結果”を見て『やっぱりこちらの方が心地いい』と気がつき、お手入れに積極的になる人がほとんどです」(田中さん)