こうしたトラブルを回避する方法はないのか。
「まず、子供たちが“老いとはそういうものだ”と認識すること。そして“親の主張がすべて正しいとは限らない”と理解することです。それから、やはり兄弟姉妹間のコミュニケーションを増やすこと。親と子供たちでLINEグループを作るのもいいと思います。
ポイントは“親抜きLINEのグループ”も別途作ること。親を含めたグループでは日常のことを話し合い、親抜きのグループでは親に関することを共有し、日常の些細なことを報告し合う、といった具合に使い分けるのです。親抜きのグループで『最近お母さん、ついさっき食べたことを忘れたりする』などと報告しておけば、母の日常に接していない兄弟姉妹も、母親本人の言葉を鵜呑みにすることはなくなります」(横井氏)
介護における兄弟姉妹との揉め事――その原因を兄弟姉妹間だけに探すのではなく、親との関係性に立ち戻ることも時には必要なのである。