今年の大学受験シーズンもほぼ終了し、多くの大学で合格発表が行われた。毎年、東大や早慶といった超難関大学の合格者数ランキングに注目が集まるが、偏差値70を超えるような進学校が上位を席巻するのが恒例だ。そのため高い偏差値の進学校に通う人は、上位の大学に合格・進学するのが“当たり前”というイメージがつきまとう。
とはいえ実際のところ、超進学校出身者のすべてが超難関大学ばかりに進学するわけではない。東大・早慶への進学者数が圧倒的に多い学校でも、MARCH(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)クラスに進学する人はそれなりに存在する。そうした人たちに話を聞くと、「出身高校を言うのは面倒くさい」と口にされることも少なくない。MARCH進学後に味わった進学校出身者ならではの“面倒くささ”とは?
「進学校に行った意味なくない?」
金融機関勤務の20代男性・Aさんは毎年、東大及び医学部医学科への合格者数がそれぞれ2ケタを叩き出す名門公立高校出身。進学先は現役で難関国公立大、私立なら早慶上智がほとんどというなか、Aさんは1浪の末に明治大に進学した。
「高校に入ってから勉強についていけず、テストはいつも学年最底辺。それでもみんなと同じように現役の受験時は第一志望を国立大、滑り止めの私立は早稲田を受けて全落ち。もちろん同級生にも明治を受ける人はいるんですけど、基本滑り止めです。
浪人の時は早慶から落とした明治を滑り止めにして第一志望を早稲田にしましたが、結局明治しか受からず、進学しました」
明治大に進学してからAさんが問われるままに出身高校名を明かすと、「え? あの高校からウチ?」と驚かれたり、「進学校に行った意味なくない?」などとよくイジられたという。
「面倒なので、自分から高校名を言うことはないですよ。出身高校の話になると、みんな勝手なイメージで言いたい放題です。『もったいない』『進学校に行った意味ないよね』などはまだましで、『なんで明治いるの?』とか……自分も明治の学生なのに」
しかし、Aさんは“上には上の苦悩がある”ことも知る。
「友人の兄は東大合格者ランキングトップ3の常連というものすごい高校。そこから早稲田大学に行ったのですが、ものすごい変わり者扱いされるそうです。早稲田なんてめちゃくちゃいいじゃんって思うんですけど、そのお兄さんの高校からしたら、“デキない”人に見えるようで……。上には上の面倒くささがあるんだなと思います」(Aさん)