「望ましいのは、アメリカ経済を牽引するトップ500社の平均株価である『S&P500』への連動をめざして運用される商品です。この指数は“アメリカ経済の縮図”ともいえるものなので、アメリカ経済全体よりもさらに高い成長率が期待できる。実際にS&P500は過去100年間安定的に増え続けていて、直近50年間の年平均増加率はなんと8.1%にもなる。
リーマン・ショック時には40%下落したこともありましたが、数年後には回復。いまや最高値を更新するほどで、基本的には右肩上がりです。10年以上運用するならリスクは非常に低い」
このほか「オルカン」の通称で知られる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」も人気を集めているが、過去5年間の運用実績は、オルカンの年平均約25%に対してS&P500は年平均約33%と、やはりS&P500に軍配が上がる。ファイナンシャルプランナーの松岡賢治さんが言う。
「2001年からの22年間の指数の伸び率を見ると、オルカンは2倍、S&P500は3倍です。確かに差はありますが、いずれもグーグルやアップルといったアメリカの巨大IT企業が指数を引き上げているので、数十年後にどうなっているかはわかりません。これまでと同じような差がつくとは限らないでしょう」
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