投資

山崎元氏 毎月分配型投信は「すぐ手放すのが正解」

「投資信託とは、複数の投資家から集めた資金をプロが運用し、その成果を投資家に還元する金融商品で、通常は1万円(1口1円で1万口単位)から購入できるのが大きなメリットです。このうち、毎月決算を行なって保有者に分配金を支払うのが『毎月分配型』で、給与所得がなくなったリタイア世代を中心に人気があります」

 投資信託協会の調査(2015年)では毎月分配型に「魅力を感じる」と答えたのは70代が最多で、次いで60代だった。そうした高齢者層の支持は、減配となれば一気に不安へと変わる。200万円分の投信を保有する、前出の60代男性の場合、毎月1万口あたり50円だった分配金が40円に下がった。

「以前は毎月1万円の配当があったのに8000円になってしまった。年間2万4000円の減額で、妻とビールを発泡酒に変えようかと話している」

 毎月分配型投信が脚光を浴びたきっかけは、1997年に設定された「グローバル・ソブリン・オープン」(通称・グロソブ)だ。先進国の債券など信用度の高い投資先に加え、毎月の分配金という“お得感”でたちまち人気商品となった。しかしその後、毎月分配型投信の内容は大きく変わったと経済評論家の山崎元氏は指摘する。

「リーマン・ショック後の世界的な金融緩和で低金利の時代となり、普通の債券のみでは必要な利回りが出ず、ブラジル・レアルなど新興国の通貨建ての商品や海外リート(不動産投資信託)、ハイ・イールド債など、ハイリスクなものを組み入れる投信が増えました。今はデリバティブを組み合せるなど、投資対象がさらに複雑化しています」

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