術後の検査で1回1万円
退院後も再発予防のための化学療法や、経過観察のための定期的検査で医療費がかかり続けることを忘れてはならない。
上医師が指摘する。
「がんの種類やステージで異なるものの、基本的に術後3年間は3か月から半年に1回程度、再発の有無を確認する検査を受ける必要があります。再発予防のために抗がん剤が点滴投与されるなど、化学療法が行なわれることも少なくありません」
術後の経過観察のための検査は「X線」や「内視鏡」、「腫瘍マーカー」など多岐にわたる。
「CTやMRIなどの検査は3割負担で1回1万円前後、PET検査は同3万円前後の費用がかかります」(同前)
保険適用外の医療(先進医療など)を選べば、治療費は一気に跳ね上がる。
がんライフアドバイザー協会理事の川崎由華氏が言う。
「がんの医療費は病態で大きく異なり、『罹ってみないとわからない』面があるのも事実。がん患者さんのなかには『うちはお金がないから』と積極的な治療を諦めてしまう方もいますが、まずは『標準治療』でかかる費用を目安に、それ以外にどんな費用が必要か、公的制度を活用した場合の最終的な支出がいくらになるかをしっかりと検討し、治療に臨んでほしい」
※週刊ポスト2024年3月29日号