キャリア

【大学総合型選抜】現役大学教員が明かす“不合格になる学生”にありがちな面接での言動 質問に対して「○○はご存じでしょうか?」の問いかけで返答

面接で不合格になる学生はいくつか共通点があるという

面接で不合格になる学生はいくつか共通点があるという

 近年、「総合型選抜」(旧AO入試)を導入する大学が増えている。2022年度の入試では、全国の大学入学者のうち学校推薦型選抜(旧推薦入試)が31.0%、総合型選抜(旧AO入試)が19.3%と合わせて50.3%となり、併せて一般選抜の割合を上回ったという。

 一般入試や推薦とも異なる「AO」とは、「アドミッション・オフィス=入学管理局」の略語だ。出願者の人物像を大学側が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に照らし合わせて合否が決定される仕組みで、高校までの内申書や大学で学びたいことを記した小論文や計画書、面接などによって総合的に判断される。「この大学で学びたい」という熱意や意欲、準備が整っていることが重視される。

「予備校や高校では“受かるための方法”を教えようとする場合が多いが、実際には“落ちる行動”を回避するほうが良い」と話すのは都内の私立大学でAO入試の担当をしてきた大学教員のAさん(50代男性)だ。Aさんを含め4人のAO入試担当教員に、不合格になる学生にありがちな面接での言動について話してもらった。

質問への回答が「ご存じでしょうか?」から始まる

「大学で学びたいことを聞くと、毎年必ず『○○はご存じでしょうか?』から始める受験生がいます。たとえば『LGBTQについてご存じでしょうか?』とか『フィンテックについてご存じでしょうか?』という問いかけから始まる。自分から問題提起をするうえで、この紋切り型を覚えてくるのかもしれませんが、目上の人間、面接官にいきなり『ご存じでしょうか?』は、印象が悪くなりますね」(Aさん)

黙ってしまう、暗記してきた内容しか話せない

「毎年かならず、面接官の質問に対して沈黙してしまう受験生がいます。その理由は、予備校などで準備してきた自己PRや質疑応答の丸暗記しか覚えていないからです。そもそも大学教員は、受験生の学力を測るために面接しているわけではありません。計画書の完成度よりも、それを踏まえたうえで、『この人は何を考えている、どういう人なのか?』に関心があるわけです。そのため、質問に正確に答えるよりも、『それはわかりません、答えられません。ただ、私はこう思います』と、会話が続くことの方が大事です」(私立大学准教授・Bさん/30代女性)

次のページ:目を見て話したり、笑顔で会話ができない
関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。