「リスク資産の額」の決め方
重要となるのが「リスク資産の額」の決め方だという。
「投資ではどれだけ値上がり、値下がりするかの『価格変動リスク』を理解することが重要です。だからこそ、“どれだけの損失を許容できるか”という『リスク許容度』を把握し、それを超えない範囲でリスク資産の額を決めるのです」(水瀬氏)
リスク資産に回す額は、「1年間でこのくらいの損失(含み損)が出ても許容できる」と思える金額から求めていく。世界株のインデックス投資の場合は最悪、「投資金額の3分の1」を1年で失う恐れがあるという。その前提から逆算すれば、自分がリスク資産に回せる大まかな額が導き出せる(別掲図参照)。「1年で120万円の損失」までを許容できる人のリスク資産の額は、360万円ということだ。
「リスク許容度を考える際には『360万円』をひとつの単位にして考えるといいでしょう。
“老後の生活費が月1万円減っても大丈夫”と思える人は、老後を30年とすると、360万円までの損が許容できる。その3倍の1080万円がリスク資産に回せる上限額となる。それ以上の額を投資するとリーマンショックのような暴落で大きな損失が出ると耐えられなくなるリスクがあります」(同前)
(後編につづく)
※週刊ポスト2024年4月5日号