しかし、あなたのマンションが区分所有者の大多数の意思に基づいて、一切のペットの飼育を認めないことを管理規約で定めたのですから、週末に必ずペットがマンション内にいる状態は管理規約が許容しないことで、隣人の行為は管理規約違反になります。
その場合、隣人に対して、犬の飼育(定期的預かり)の中止を求め、応じなければ区分所有法の管理者(多くは管理組合の理事長)が原告になり、違反住人を被告として飼育の中止を請求する裁判を提起できます。
飼育を禁止する判決が出ても従わなければ、強制執行のひとつである「間接強制」の方法で、飼育をやめるまで裁判所が定める一定の金額を支払わせることにより、判決の結果を実現できます。いわば、罰金を支払い続けさせるわけです。音を上げて、ペットを諦めるか、マンションを出て行くかの選択を迫られることになるでしょう。
厳しいようですが、管理規約が守られないルーズなマンションになると、居住環境が悪化し資産価値も下がってしまいます。そうなると区分所有者全員の不利益につながりますから、管理組合に相談してみてはいかがでしょうか。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2024年4月11日号