金利上昇が株価に逆風になるはずの「不動産株」「建設株」が上昇
利上げ当日にみられた“セオリーと正反対の動き”の代表例は「不動産株」「建設株」だった。
教科書的にいえば、不動産・建設業は最も借入金の多いセクターのため、金利が上がると不動産の購入や投資に必要な資金調達コストの上振れが意識され、需要低下、投資控えにつながりやすい。株価には逆風となるのだ。
ところが、19日は下落するどころか、軒並み上昇を見せた。マーケットアナリストでケイ・アセット代表の平野憲一氏が解説する。
「事前にマイナス金利解除の観測報道が出ていたため、不動産株などは警戒感から売りが目立っている状況がありました。
しかし、マイナス金利の解除といっても政策金利は0~0.1%と歴史的低水準であることに加えて、植田総裁が金融政策決定会合後に『当面は緩和的金融環境を継続する』と言及したことで、目先で金利が急上昇する懸念が和らいだ。不動産株の悪材料が出尽くしたため、買い戻す動きが優勢になったのです」
平野氏は今後の注目銘柄として、大林組(1802=証券コード、以下同)、奥村組(1833)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)をあげた。
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