【2】相続人を確定して連絡する
続いて、相続人を確定して連絡する。
遺言書などで自分がその不動産を相続すると確定しているなら不要だが、そうでなければ不動産の相続権を持つ人を把握しなくてはならない。司法書士の野谷邦宏氏が言う。
「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を集めて、養子も含めて相続人を洗い出します。祖父や曾祖父の代から名義変更していない不動産の場合は、遡って調べます」
被相続人の除籍謄本は1通750円。これまでは本籍地の市区町村役場で取得する必要があったが、便利な制度が今年3月にスタートした。
「全国どこからでも被相続人などの戸籍を取得できる『戸籍証明書等の広域交付制度』が新たに始まりました。遠方に住む相続人たちの戸籍も取得できるので大変便利です」(野谷氏)
【3】遺産分割協議を行ない、遺産分割協議書を作る
相続人を調べたら、全員で遺産分割協議を行ない、遺産分割協議書を作成する。
遺言書がない場合の相続登記には、相続人全員が「誰が相続するか」に合意して署名と捺印をした遺産分割協議書が必要になる。
「仮に遠方に住んでいて疎遠な相続人がいる場合、手紙を送りこちらの意思を伝えたり、相続放棄の意思の確認などをします」(旭氏)
複数人で相続する場合、法定相続分で分割するなら誰か1人が代表して相続登記申請できるが、遺産分割協議の結果、法定相続分以外の割合で分けるなら名義取得者全員がそれぞれ登記申請を行なう必要があるので注意したい。