割り増し年金を受け取る
妻の働き方(収入)で年金額がどのくらい増えるかをシミュレーションした。
現在、時短勤務で年収105万円のパート妻(第3号被保険者)が受け取る国民年金額は満額(*注:3号期間を含めて通算40年加入)でも年間77万7800円。それが厚生年金に加入してフルタイムで10年間働き、平均年収200万円なら65歳からの厚生年金額は年88万7800円、平均年収300万円なら年94万1800円に増える。
85歳までの受給総額は「328万円」もアップするのだ。夫の年金を増やすよりはるかに効率がいいことがわかる。
妻の年金額が増えれば、「夫婦の年金」の選択肢も広がる。夫が年金受給しながら働き、その間妻は年金受給をしないで夫の「給料+年金」で生活。そして夫がリタイアすると同時に妻が年金を繰り下げ受給して割り増し年金を受け取る方法で年金をもっと増やすこともできるからだ。蒲島氏がいう。
「厚生年金は長く加入するほどメリットがある。40歳代以下でパート勤務の妻なら10年ではなく、65歳まで20年前後は加入できるので、フルタイムで働けばもっと大きく年金額を増やせます。50代の妻が年収200万円以上を稼ぐのは簡単ではありません。そうした職場環境を見つける意味でもなるべく早く仕事を始めることが肝要です」
年金改悪が迫るなか、第二の人生のプランを立てるうえで、妻の年金をどう増やすかがこれまで以上に重要になってくる。
※週刊ポスト2024年4月12・19日号