株式分割が株価に与える影響は?
株式分割は、1枚のピザを半分(あるいは何分の1か)にカットするようなものです。半分にカットされたピザの味が変わるわけではないように、株式の価値が変わるわけではありません。株式分割前に1000円の株を100株持っていたとしたら、評価額は10万円で、その株が2分割された場合、分割後は500円の株が200株になり、評価額は10万円と変わりません。
株式の価値が変わらないなら、株価も変わらないように思いますが、実際には、株式分割後の株価は上昇しやすい傾向にあります。NTTは、株式分割を発表前の2023年初頭から比べると、およそ25%上昇しています。
株価のボラティリティが高くなることも
おおむね株式分割は、投資家にとってメリットのほうが大きいのですが、まったくデメリットがないわけではありません。たとえば、元々100株しか持っていなかった既存の株主が、株式分割をすることで、一部売っておこうか、といった売りの理由にもなり得ます。
また、株式分割を繰り返すことで、低位株(株価が500円未満)になり、仕手株と呼ばれる投機的な売買が増え、株価のボラティリティ(変動率)が高くなるケースもあります。
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