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「寄付より納税」を選んだ鈴木健二さん、NHK職員でありながら長者番付の常連に 巨額の収入の源は“類まれなる読書量”

鈴木健二さんが納税額2億6219万円で2位となった、1983年の長者番付(文化人部門)

鈴木健二さんが納税額2億6219万円で2位となった、1983年の長者番付(文化人部門)

「印税を寄付すべき」の声に「税金ならば、みなさんの役に立つ」

 鈴木さんは1983年から3年連続で『NHK紅白歌合戦』の白組司会に抜擢され、1984年には歴代4位タイの78.1%という驚異の視聴率に貢献した。

「1983年の長者番付で公示された納税額は、文化人部門の2位です。1位は茶道家元の千宗室さんの3億1753万円でした。ちなみに同年、『Dr.スランプ』をヒットさせていた漫画家の鳥山明さんは9698万円、歌手部門1位の松任谷由実さんは6935万円。まさに桁違いに稼いでいました。この年の鈴木さんの年収を3億7000万円と推定する雑誌もありました」

『気くばりのすすめ』は文庫本を含め、400万部以上売れた。ただ、昭和の頃は最高税率が今以上に高く、鈴木さん自身「80~90%が税金」と話しており、手元に残るお金がべらぼうに多かったわけではない。

「印税のみならず、講演会の依頼も絶えなかった。『気くばりのすすめ』の頃で年間1500件くらいあったそうです。でも、NHKの職員ですから、そんな時間は取れないですし、ほとんど断っていた。中には、『印税を全額寄付すべき』という声もあったそうです」

 当時、税金党の党首だった野末陳平・参議院議員との対談でこう語っている。

〈鈴木(中略)これはものの考え方で、寄付してもいいんですけど、寄付すると、寄付されたその部分の人にしか役にたたない。
陳平 なるほど。
鈴木 税金ならば、みなさんの役にたつ。
陳平 まあ、役にたっているかどうかは別にして。
鈴木 軍事費だけはごめんこうむりますが。税金ならば、国民ぜんたい一億一千七百万で頭割りすれば、みなさんに何円かずつお返ししたことになる。〉(『週刊文春』1983年10月6日号)

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