これはあまりにも行き過ぎた事例ですが、わかりやすい話というのはそういうことで、誰が考えてもそうなるだろうなというストーリーを提示できる企業の株は素直に上がっていきます。逆に、決算の数字の細かいところをこねくり回してようやく浮かび上がってくるようなマニアックなアイデアは、理解してもらうのに時間がかかり過ぎてしまうことがあります。
株価を動かす原動力となるイベントや材料のことを「カタリスト」といいますが、投資の際はどれだけわかりやすく、他の投資家に刺さるカタリストを提示できるのかということは常に考えておいたほうがよいでしょう。
※片山晃・小松原周/著『改訂版 勝つ投資 負けない投資』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部抜粋して再構成
【プロフィール】
片山晃(かたやま・あきら)/株式会社レッドマジック代表取締役社長。ペンネーム:五月(ごがつ)。専門学校中退後の4年間をネットゲーム廃人として過ごした後、22歳で株式投資に出合い、2005年5月からの7年半で65万円の投資額を12億円まで増やした。2013年に運用会社レオス・キャピタルワークスに入社、1年間の機関投資家業務を経験し再独立。現在の総資産は150億円で、企業買収やヘッジファンドの設立、累計50件以上のスタートアップ投資など活動の幅を広げている。北海道に競走馬の生産牧場を持つ馬主としても知られる。