【サイン3】収益性の高いところへ投資している
伸びる会社は、新規事業やM&Aへ投資をする際に、現在の会社の収益性よりも高い収益性が見込まれる事業へ投資することに注力しています。既存の事業への投資でも、それによって将来は今よりも収益性が高くなるという前提で投資を行っています。
一方、収益性を精査しないまま無駄な投資をしたり、不採算のビジネスを長年放っておくような会社は、結果的にジリ貧になっていき、やがて市場から退場を余儀なくされます。収益性を重視した投資規律を持っているかどうかをチェックしましょう。
【サイン4】多くの人を幸せにしている
上場企業は利益を伸ばし続けることを宿命づけられています。長期的な成長を達成できるかどうかを推し量る上で便利な指標となるのは、その会社の製品やサービスによって、世の中の人がどれだけ幸せになっているかを見ることです。
伸びる会社というのは単純に、その存在意義が人々や社会から支持されています。過大な広告によって消費者を欺いたり、ギャンブルのように誰かを不幸にしなければ成立しないようなビジネスは、結局は長続きしません。お金は、誰かを幸せにすることを媒介した時に富を生む、という性質があります。あなたが直感的に好きになれない会社は、投資対象とする必要はありません。それが正しい選択になるはずです。
【サイン5】ガバナンスがしっかりしている
継続的に高い利益成長を遂げている会社には、独立性の高い社外取締役が多いという特徴があります。別の業界で実績のある人物を取締役に迎え、さまざまな角度から社長の仕事をチェックしてもらうというガバナンス機能が働いています。
対照的に、創業者が社長と会長を兼務しているような会社はワンマン経営であり、ガバナンスがありません。これでは、社長の能力が組織の求める基準に達していない場合、誰も修正することができません。また、本社を持ち株会社として事業会社を傘下に収める、いわゆるホールディングス体制を取る会社もガバナンスが弱い傾向がありますので注意をしましょう。
伸びない会社のサイン
では、次は伸びない会社のサインを5つご紹介します。
【サイン1】本業とまったく関係のない事業を持っている
印刷用インクの製造会社がスポーツクラブやゴルフ場を経営していたり、システムエンジニアリングの会社がファーストフードのフランチャイズを展開しているようなケースが該当します。経営者が、収益性を高めることや、資本効率を改善することを一切考えていないのがよくわかります。
【サイン2】中期経営計画に数値目標が明記されていない
投資家に約束する将来の目標に、定量的な数値が示されていない場合があります。なんとなく利益が上がっていくということで棒グラフが伸びているが、先のほうが薄くスケルトンになっていたりすることもよくあります。
数字でコミットメントができないような経営者は保身に走る傾向があり、注意が必要です。
【サイン3】自社ビルを建設する
自社ビルを建てる経済合理性はまったくありません。大企業でも本社機能はワンフロアで充分に足りますし、クリエイティブ系の会社でも、コアな人材は多くても数百人で済みます。
事業環境は刻一刻と変化するのですから、本社のために大金を投じても、高いリターンを上げることはできません。信越化学の本社は、中小企業と見間違えるほど質素で小さなオフィスです。本社にかけるお金があるなら、現場の工場のために使いたいそうです。