エリート塾は親の手間がかかる
SAPIXやグノーブルは独創的なメソッドの塾だ。
一般的な塾は、まず講師が説明をして、例題を解かせ、解説をする。生徒に問題がある程度、解けるように仕上げてから帰宅させるため、宿題は子どもひとりで解ける。しかし、SAPIXやグノーブルでは解けるところまでは仕上げない。授業ではとっかかりを教え、問題が解けるまでの仕上げは家での宿題を通してやっていくスタイルだ。そうなると、子どもはひとりで宿題が解けない状態で帰宅するので、親が横についてフォローをする必要が出てくる。
A子さん夫婦は頑張って勉強を見ていたが、子どもが5年生になるタイミングで転機が訪れる。A子さんが昇進して部長職になった。
今回は中堅企業の営業職として働くA子さん夫婦を取りまく目黒区の子育てや中学受験事情について言及した。A子さんは部長に昇進したことで、生活が変わり中学受験との関わり方も変化していく。
次回記事ではその変化をきっかけに、課金ゲームに参入していく様子を紹介しよう。
【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)も話題に。『中学受験ナビ』(マイナビ)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)で連載をし、『週刊東洋経済』『週刊ダイヤモンド』で記事を書いている。