港区麻布界隈に住む、セレブな「麻布妻」たち。お嬢さま学校、お嬢様大学を出て外資系金融勤務の夫と結婚し、麻布妻となったライターの高木希美氏の周囲には、多くのお坊ちゃま、お嬢さまがいる。高木氏が学生時代に見た「育ちがいい家庭」の驚くべきエピソードをリポートする。
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お嬢様学校に通う生徒の母親たちは、いま考えれば異様に過干渉のいわゆる“毒親”パターンも多いことに、社会に出てから気付きました。
小さい頃から付き合うお友達も“管理”され、思春期には彼氏はもちろん男友達との交遊も親が認めない限り許されないのです。
高校時代なら「駒東(駒場東邦)の男子の話も法政も反応良かったんだけど、公立の男子の話をしたら、親がまったくリアクションしなかった」という子や、大学時代なら「最低でも早慶じゃないと許さないってパパが言うから、彼氏の話は絶対親にできない、だって彼氏専門学校だもん」という子が実際にいました。
大学時代に美容師と付き合い始めたマスミは、家出騒動を起こすほど親ともめました。娘の一挙一動を把握して管理するのが、お嬢様学校の親の「あるある」なのです。
「あの子はしつけが悪そう」「MARCHより下は大学じゃない」──そんな言葉を平気で言う毒親に育てられたからなのか、娘たちも大学生にもなればお互いの彼氏を「えっ、彼氏○○大なの? 将来ヤバくない?」などと品評しあうようになるから厄介でした。
反対に、お坊っちゃま学校に行っている男子たちは、どこか余裕があって落ち着いているのです。特に慶應、それも「幼稚舎上がり」の男子たちにその傾向が強いと思います。慶應義塾幼稚舎は東京・広尾駅近くにある共学の小学校で、「両親とも慶應」「親は開業医」といったようなお坊ちゃまの中のお坊ちゃまがズラリと揃っています。
「幼稚舎から大学までずっと慶應」という男性は何人も知っているしお付き合いしたこともありますが、見る人が見ればその雰囲気で「慶應」ということは分かると思います。大企業で働いている人なら「あの人、慶應っぽい…」と思って聞いたら当たっていた、という経験はあると思いますが、「幼稚舎上がり」はそれがさらに洗練されている印象です。
枕の下の「2万円」は誰が置いた?
そんな「幼稚舎から慶應」の男子たちの中には、驚くようなお坊ちゃまがいました。