幕内・北青鵬(引退)の暴力問題を受けて、宮城野部屋が当面閉鎖となった。宮城野親方(元横綱・白鵬)を含めた親方や力士らは伊勢ヶ濱部屋に転籍となったが、所属力士が約40人という角界一の大所帯が生まれ、それによって生じる“運営コスト”も半端じゃない規模になるようだ。
4月8日は転籍力士が合流して初となる朝稽古があったが、序ノ口から始まって幕内力士の稽古が終わるまで4時間半という異例の長丁場に。“食べるのも稽古のうち”といわれる世界だけあって、伊勢ヶ濱部屋では1回の食事で炊く米が合併前の3升から6升に増えたという。
大相撲の世界で今回の宮城野部屋の転籍を上回る規模の“大合併”と言えば、1993年にあった藤島部屋と二子山部屋の合併だろう。当時の二子山親方だった元横綱・初代若乃花が定年を迎え、実弟の藤島親方(元大関・貴ノ花)のもとへ弟子たちが合流した。新・二子山部屋には、旧・二子山部屋の力士38人が合流し、総勢62人という規模になった。その部屋でおかみさんとして運営を取り仕切った藤田紀子さんは、「育った環境が違う力士が、同じ部屋で暮らすことになるので本当に大変でした」と振り返る。
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