資産運用への関心が高まる中、証券会社などがAI(人工知能)を活用して、投資診断や投資アドバイス、運用などを行うロボットアドバイザーの利用も広まっている。「ロボアド」はどのような特徴があるのか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第89回は、「ロボアドバイザー」について。
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新NISAのスタートで、資産運用への興味が高まる中、ロボットアドバイザーを利用する人も増えているそうです。ロボットアドバイザーでどんな運用ができるのでしょう?
ITリテラシーが高い人にも人気
ロボットアドバイザーを手がける国内主要5社の預かり資産は、2023年12月末で1.4兆円と、前年比で4割も増加しました。一番人気のウェルスナビ社は、今年1月に1.1兆円に達し、利用者は38万人にのぼります。わたしの周りでも利用者は多く、とくにITリテラシーが高めで、バリバリ働いている人に選ばれている印象です。
ロボットアドバイザー、通称ロボアドは、AIやアルゴリズムを活用して、自動的に資産運用を行うサービスです。投資家は、自身の投資目標やリスク許容度を入力するだけで、ロボアドが最適な資産配分を提案し、運用を行ってくれます。専門的な知識や経験がなくても、誰でも簡単に資産運用を始めることができるため、自分で投資資産を選べない、もしくは選ぶ手間をかけたくないと考える層のハートをキュッと掴んだようです。
ロボアドには「アドバイス型」と「投資一任運用型」があり、人気があるのは「投資一任運用型」です。買い付けや運用のほか、相場環境や利用者の年代に合わせた資産配分のリバランスを行ったり、自動で税金を最適化してくれたりと、利用者は資産運用にまつわるアレコレをすべてお任せできるのが魅力。また、自分で資産運用をしていると、急騰や急落時に感情的な売買をしてしまうことが多々ありますが、ロボットなので感情に振り回されることなく、つねに冷静沈着、合理的な売買を行なってくれるのも頼もしい点です。