キャリア

【賃上げの波に乗る定年後の働き方】シニアに門戸が開かれ賃金が上昇しているドライバー職に注目、インバウンド関連も活況

再雇用社員の待遇改善の動き

 一方、再雇用で会社に残る場合、「定年前より給与が大きく下がるのが常識」だった。

 令和4年民間給与実態調査によれば、55~59歳の平均年収は546万円。60歳以降の再雇用で半減すれば年収は200万円台になる計算で、賃上げが顕著な職種でのアルバイトでも目指せない水準ではない。

 気楽なアルバイトのほうが有力な選択肢に思えるが、自分の勤め先で今後、制度変更の動きがないかはチェックしたい。

「様々な業界で、再雇用社員の待遇改善の動きが見られるからです」

 大手菓子メーカーのカルビーでは60歳以降の嘱託社員の給与が定年時の70%程度だったところ、条件を満たせば定年前とほぼ同水準とする制度変更を今年4月に実施した。

 前述の50代後半の平均年収が、60歳以降に7割になる仕組みから、定年前と同水準に変われば、年収は約200万円上がる。10年働くなら生涯収入は2000万円以上増え、インパクトは大きい。

 シニアの本格的な賃上げはこれからと考えられるが、どんな働き方が望ましいか、検討を進めておくことだ。

【プロフィール】
金澤美冬(かなざわ・みふゆ)/ライフキャリアコンサルタント。2004年早稲田大学卒業。2018年にシニアの転職エージェントとして独立。

※週刊ポスト2024年5月3・10日号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。