声優が単独ディナーショーを開催するようになった背景に、何があるのか。
2000~2010年代頃には、スタジアムやドーム球場で大規模なコンサートを実施したり自らのバラエティ番組を持ったりするアイドル声優や声優ユニットが活況を迎えた。しかし、そうしたアイドル声優が活動を減らし、ユニットの解散も相次いでいる現状がある。
声優業界やショービジネスに詳しいノンフィクション作家の日野百草氏が言う。
「コンサートは開催費用も大きく、セキュリティ面も大変です。その点、ディナーショーは規模面で開催しやすい。しかも、近年は声優ファンの一部も年を重ね『壮年化』が進んでいるため、高額でも参加してくれる。ディナーショーには欠かせないトークと上手な“客あしらい”ができる声優さんも多い。ディナーショーが増えたのもうなずけます」
長く活躍し続ける声優が増えるにつれ、自然とファンの年齢も上がってくる。高額のディナーショーチケットを払えるファンも増えているということだろう。
「立ってペンライトを振るよりも、高額でも落ち着いてゆっくり楽しめるディナーショーは、そうした声優ファンには安心でぴったりなのかもしれません」(日野氏)
いまやディナーショーは、大御所芸能人だけのものではなくなった、ということだ。