キャリア

大学教員・職員が明かす“不登校・退学になりやすい学生”のサイン 「ゲームで徹夜」が危険な理由

演習の授業で他の学生と会話できず孤立する

 別の大学に勤務する事務職員の女性・Bさん(30代)は、学生が発するSOSには次のようなものがあるという。

「業務の一環として、不登校学生や、退学になりそうな学生の調査、対策を担当しています。学生や教員からのヒアリングを行うと、『演習の授業で他の学生と会話できず、いつも孤立している』という意見を目にします。

 大学ではグループワークをする機会が多いのですが、そこで輪に入れないことが、精神的な苦痛になり大学に足を運べなくなるのです。またこうした学生は、『お昼休みにランチをする友達がいない』ということも、ストレスに感じてしまい、キャンパス内で孤立してしまう傾向があります。こうした状況を目撃したら、教員や他の学生が声かけすることが大切です」(Bさん)

リアクションペーパーという場所に助けを求める

 教員側は「課題提出のリアクションペーパーからも兆候が読み取れる」と注目している。関西の大学に勤務する女性教員・Cさん(40代)は、こう話す。

「しばしば、リアクションペーパーのなかにジェンダーの悩みや友人関係のトラブル、恋人との問題などを書いてくる学生がいます。もちろん、大学教員はカウンセラーではないので、個別の事案すべてに対応したり、相談に乗ってあげることはできません。

 しかし、こうした書き込みはSOSです。教員にしか相談できないからこそ、リアクションペーパーという場所に助けを求めて書いてくる。それを無視するのではなく、『その悩みならこういう窓口がありますよ』『大学のここにカウンセラーさんがいますよ』と案内するようにしています」(Cさん)

 せっかく入学した大学でも、さまざまな理由で退学してしまうケースはある。家族や大学スタッフ、周囲の学生が、なるべく早い段階で、課題を抱えた学生のSOSを見逃さないように心がけることが大切だろう。

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