雇用環境はメンバーシップ型からジョブ型に変化
つまり、来る未来はわずかな年金と、新NISAで増やした資産を老後資金としつつ、働いて賃金を得る生活がいま以上に一般的になるということ。しかしその「稼ぎ方」も変化する。戦後のサラリーマンを支えた終身雇用を中心とした働き方には大きな変化が生じるのか。電通ソリューションクリエーションセンター未来予測支援ラボの小野江理子さんが語る。
「現時点でも働き方の多様化が進み、短い時間でバイトや副業をしたり、週末にリスキリング(学び直し)をして転職を重ねる人も非常に多い。2050年には『安定した職』『夢を追う職』などを組み合わせ、時間や空間に縛られない働き方が主流になり、個々の能力が重視され、スキルを身につけたら仕事ができるようになる。雇用環境は、組織に所属する人に仕事を振り分けるメンバーシップ型ではなく、必要なスキルを持つ人を雇用するジョブ型に変化するかもしれません」
人口が減少して、現在以上に人手不足となることが予想される近未来。加谷さんは「年収の高い職種がいまと逆転する可能性がある」と主張する。
「この先、単純作業のデスクワークなどはAIに取って代わられるでしょうが、ゴミ収集車の作業員をはじめとした肉体を使った仕事や人手不足で需要の多い物流に関する仕事は、引く手あまたで給料もぐんぐん上がっていくはず。実際、アメリカでは清掃員の仕事の年収を1500万円で募集するなど、その兆候が見え始めています」
※女性セブン2024年5月9・16日号