トレンド

温暖化で変わる桜の開花日 今世紀末には関東から西日本で「一斉開花」、九州では「満開にならない・開花しない」地域が出現か

温暖化の影響で「桜前線」が消える未来も(写真:イメージマート)

温暖化の影響で「桜前線」が消える未来も(写真:イメージマート)

 地球温暖化が進み異常気象が起きることがニューノーマル化。昨今は春や秋が極端に短く、暑すぎる夏と温暖化した冬が数か月続く「二季化」現象が起こっている。近年、桜の開花が早まっているが、二季化によってどう変わるのか。

 日本気象協会によると、今年の3月は冷たい雨が続いたため、桜の生長は足踏み。西日本や東日本の桜の開花は、昨年より大幅遅れとなった。

「最近の桜開花予想を聞くと、開花は年々早まっていると思う人が多いかもしれません。しかし温暖化シナリオに基づく今世紀末の桜開花予想は、意外にもそうならないのです」

 と話すのは、『温暖化と桜の関係』の研究発表で知られる九州大学名誉教授の伊藤久徳さんだ。

 伊藤さんはソメイヨシノを研究対象にしている。

 ソメイヨシノはすべてクローンで、全国に植えられているのはまったく同じ性質だ。つまり、周囲の環境条件だけでほぼ開花が決まり、温暖化の影響を見分けやすいというわけだ。

 ちなみに、桜の「開花」について説明を加えると──各地の気象台ごとに桜の“標本木”が決まっていて、標本木に5~6輪以上の花が開いた状態となった日が「開花日」と呼ばれる。また、同じ標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった日が「満開日」となる。

次のページ:今世紀末の「満開予想図」
関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。