福井県の当選確率約50%のくじは週末OKの民宿がねらい目
3つ目のおすすめは、北陸新幹線の延伸で盛り上がる福井県だ。北陸応援割は2024年4月26日で終了したが、その代わりに「ふくいdeお得プレゼント」とよばれるキャンペーンが開始となる。キャンペーンの概要は以下のとおりだ。
■「ふくいdeお得プレゼント」
・対象期間 2024年5月22日~7月12日(宿泊施設に配布した抽選券がなくなりしだい終了)
・対象者:平日に福井県内のキャンペーン参加施設に宿泊した人(能登半島地震の影響でキャンセルがあいついだ越前海岸や北陸新幹線から距離のある敦賀市・小浜市などの嶺南地域の民宿などでは週末の宿泊も対象となる予定)。
・プレゼントの内容:県は期間中に約30万人が宿泊すると想定しており、約15万人が当選するようにくじを準備するという。「ふくいはぴコイン」1万円分(福井県の飲食店などで利用できるデジタル地域通貨)や越前焼、越前漆器などの福井県の特産品が約50%の可能性であたることになる。
・予算:約2億円(2023年度の繰り越し予算から充当)
詳細については2024年5月上旬にホームページで発表される予定となっている。
宿泊費の額の多寡にかかわらず、抽選の権利が得られる。そのため、3万円の宿に1泊するよりも、1万円の宿に1泊ずつ、計3泊したほうが当選確率は3倍となる。
なお、抽選券は宿泊施設のチェックイン時に配布され、その場で当落がわかるという。
2024年春の観光の起爆剤となった北陸応援割はゴールデンウィーク後も石川県のみ継続されるが、追加予算はなかったので余剰の予算がある宿泊施設などで細々と続く形となりそうだ。
しかし、自治体ベースでの割引は今後も全国各地で登場するだろう。いずれも予算規模がかぎられており、告知も限定的なため、知る人ぞ知る存在となっているものが少なくないが、特に有用性が高いものについては引き続き紹介していきたい。オーバーツーリズムの影響がとりわけ強くなった現在、割引をきっかけにして、新しい目的地を開拓してみてはいかがだろうか。
【プロフィール】
橋賀秀紀(はしが・ひでき):トラベルジャーナリスト。東京都出身の40代。訪問国は127か国・渡航回数200回以上。著書に『エアライン戦争』(共著・宝島社)など。