4月9日、JR東日本が、「JRE BANK」の詳細を発表した。これは、BaaS(Banking as a Service)とよばれるサービスで、銀行の機能は従来どおり銀行が行う一方で、さまざまな付加的なサービスを、提携した企業が行うしくみだ。JR東日本は楽天銀行と提携して、本格的な金融事業に参入する。その内容が旅好きにはかなりおトクなのではないかと、発表直後からネット界をざわつかせた。そこで、その概要を紹介し、おトク度を検討してみたい。
JRE BANKのサービス提供開始はゴールデンウィーク明けの5月9日12時。ウェブサイトもしくはスマホ上のアプリで口座開設を受け付ける。ちなみに支店名は新幹線にちなんで、「JREはやぶさ支店」「JREこまち支店」「JREとき支店」となっている。楽天銀行の口座をすでに持っている人も、JRE BANK口座を追加で開設できる。JRE POINT会員番号を連携することで、JRE POINTを貯められる。なお、JRE BANK口座では楽天IDを連携することができず、楽天ポイントは貯まらないことに注意したい。
また、JCBと提携したデビット機能付キャッシュカード「JRE BANKデビット」も新たにつくられる。このカードをJCB加盟店で利用する際に銀行口座から直接引き落としとなる。JR東日本のクレジットカードの「ビューカード」同様、利用額に応じてJRE POINTを貯めることができる。
JRE BANKの利用者が以下のような条件をクリアすると、その条件に応じて、さまざまな特典を得ることができる。
【1】資産残高50万円以上もしくは300万円以上
【2】口座をビューカードの利用代金の引き落としに使用
【3】口座を給料・賞与・公的年金の受け取りに使用
このキャンペーンの最大のネックは【3】だろう。楽天銀行の基準に準じており、「給与・賞与・公的年金の受け取り」とは、具体的に給与が振り込まれた時の電文が「給与振込」でないと判定されない。給与の振込先が会社から特定の銀行に指定されていてJRE BANKを指定できない場合、その給与を毎月そのままJRE BANKの口座に移したとしても条件はクリアされないことになる。