弱気相場に転じたら2022年10月の水準まで下落も
市場が弱気相場に突入すると、一般的には下落率が拡大し、下落期間が長引く傾向にあります。20%の下落後、株価は一体どこまで落ちるのでしょうか?
ピクテ・ジャパンの調査によると、戦後に発生した14回の弱気相場での下落率の中央値は31%、下落期間の中央値は248日(営業日ベース)という結果が出ています。
これを基準として考えると、今年3月28日に高値を記録した後、248営業日が経過するのは来年の2025年3月25日になります。そして、31%の下落は指数を3631.21ポイントにまで引き下げる計算です。
この3631.21ポイントという数字は、なんと2022年10月の水準と一致します。2022年10月は、米CPIが8%を超えるなど、インフレが最も懸念されていた時期で、市場は下落を続けていました。もし弱気相場に入ったとしたら、まさにその当時の水準への逆戻りを意味することになり、多くの投資家にとっては納得せざるを得ない水準なのではないでしょうか。
しかし、現状では弱気相場入りの水準にはまだ達していませんし、今回の下落がただの調整である可能性も考慮する必要があります。これからもフィボナッチリトレースメントなどのテクニカルツールを駆使しながら、相場の方向性を慎重に見極めていく必要があるでしょう。
インフレ動向と米国の金融政策、金利水準、景気、さらには地政学リスクなどの要因を踏まえ、株価の行方を分析し続けていくことが求められます。
【プロフィール】
森口亮(もりぐち・まこと)/個人投資家、投資系YouTuber。1983年、埼玉県生まれ。元美容師。「Excelで決算数値を管理して、有望な成長株を中・長期的に狙う」という手法で資産を10倍に。その後も着実に資産を増やしている。著書に『1日5分の分析から月13万円を稼ぐExcel株投資』(KADOKAWA)がある。YouTube「毎日チャート分析ちゃんねる」やnote(https://note.com/morip)を日々更新中。