老後資金を確保するために、投資を考える人も多いだろう。とはいえ、投資には株価下落や為替変動といったリスクが付きまとう。新NISA(少額投資非課税制度)で人気の通称「オルカン」など、外国株に連動した投資信託も例外ではない。
「資産寿命を延ばすには、株価上昇を狙う銘柄ではなく、株主に『配当金』を積極的に還元している企業に投資するといいでしょう」
そう指摘するのは『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』の著者で、配当株投資によって大きな資産を築いた配当太郎氏だ(以下、「 」内は同氏)。
配当株投資は、保有するだけで受け取れる配当金などの利益(インカムゲイン)に着目する投資法。値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う投資に比べてリスクを抑えられ、半年から年に一度、配当金を受け取れるのが魅力だ。
新NISAでの個別株投資は成長投資枠(年240万円、最大1200万円まで)を使うことになる。配当株投資とは相性がよいという。
「新NISAでは投資で得た利益にかかる約20%の税金が非課税となる。制度改正で非課税期間が無期限になったことで、長く保有して配当金を非課税で受け取り続け、リタイア後も年金の足しにできる。将来の増配が見込める企業に絞った投資では、長期間続けることで配当金を雪だるま式に増やすことも可能です」
各企業の「増配」の実績を見ると、三菱UFJフィナンシャル・グループや三菱商事の1株配当は「この10年で倍以上になっているので、今後10年でも倍になる可能性はある」という。
数%の利回りは小さく映るかもしれないが、増配が続き、毎年の配当金で株を買い増す再投資を続けると、恩恵は大きい。