ただ、人前でバカにし、社会的評価を貶めると名誉毀損です。社会的評価に影響しなくても、侮辱する言動で名誉感情を傷つけ、社会通念上許される限度を超えれば、人格権侵害の不法行為になります。
監督発言は、テレビ取材に答えた発言であり、いずれも名誉にかかわることですが、プロ野球選手の本業に関する発言で一般の関心事ですし、それが本当のことなら名誉毀損にはならないと思います。
ともあれ、当該選手の感受性が普通程度なら名誉感情を侵害しそうですが、本業の成績に関わることであり、正しい評価であれば、受忍範囲でしょう。それでも、あなたの意見は正論です。監督と選手が互いに尊敬し合う紳士的な関係をファンは望んでいるからです。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2024年5月17・24日号