メールやチャットの文章の最後につける句点の「。(マル)」。昨今、若い世代のあいだで、この「マル」に“怖い”“冷たい”という印象を受ける人たちがいると話題だ。職場の上司などがLINEなどでマルをつけて送る行為を「マルハラスメント」(通称・マルハラ)と呼ぶ動きもみられ、世代間ギャップも議論を呼んでいる。
これに対して歌人の俵万智氏は、自身のX(旧Twitter)アカウントで、〈句点を打つのも、おばさん構文と聞いて…この一首をそっと置いておきますね~〉と断りを入れたうえで、〈優しさにひとつ気がつく ×でなく○で必ず終わる日本語〉という短歌を投稿し注目を集めた。
この流れで、若者、とくにZ世代の言語感覚を揶揄する声も出るなか、こうした報道自体に違和感を感じる若者もいるようだ。Z世代のリアルな声を紹介しよう。
目上の人からのLINEにマルがついていても怖くない
都内の私立大学に通う男子学生・Aさん(22歳)は、「マルハラ」報道に次のように反論する。
「若者が“マル”を怖がっている“マルハラに気をつけよう”というニュースに、SNSではZ世代を揶揄する声も絶えません。ただ、僕や友人の感覚では、“マル”だからなんでもかんでも怖いというわけではない。就職活動で企業の方と連絡を取る際には、当たり前ですが句点を使ったメールを打ちます。保護者世代の人、バイト先の目上の人からLINEをもらった時にマルがついていても、そうした関係性のなかでのやり取りなので“怖い”とか“冷たい”とは解釈しません。
一方で、マルに冷たい印象を感じることも確かにありますが、それは普段からインスタのDMやLINEで短文のやり取りをしている同世代同士の会話に限られるものだと思います。
正直、若者がなんでもかんでもマルを怖がっているという風潮を報じるニュースは、若者の日本語用法が低レベルだと印象付ける、悪い意味での印象操作だと思います」(Aさん)