代替品が亡い限り危険でも使い続ける
世界と比較して規制が甘いのは食品添加物も同様。食品ジャーナリストの郡司和夫さんが語る。
「インスタント食品や総菜パンなど手軽に手に入る食べ物の多くに、諸外国が“NO”をつきつけた添加物が使われています。その中でも特に危険視されているのは、保湿剤の『プロピレングリコール』。生麺や餃子の皮などに使われますが、ドイツでは腎臓障害を起こすリスクがあるので使用に規制がかけられています。
パンのふくらみを増すために利用される『臭素酸カリウム』も、発がん性が指摘され、EUでは使用が禁じられています」(郡司さん・以下同)
危険な添加物が使われ続ける理由は、日本における添加物対策に「予防的視点」が抜け落ちているためだと郡司さんは指摘する。
「EUでは、リスクがあると明らかになった時点で実際に健康被害が出る前段階であっても禁止しますが、日本では被害がない限り、代替品が見つかるまで使い続ける。パーム油などに使用される酸化防止剤のBHAも、1982年に名古屋市立大学の実験でラットに発がん性が認められました。しかし人間への被害が確認できていないことを理由に、いまだに使われています。
さらにやっかいなのは日本の食品表示では、『香料』『調味料』といった形で、食品添加物の『一括表示』が認められていて、複数の添加物が組み合わされていても個別の名称を表示しなくていい仕組みになっていること。そのため、見抜くことができないケースも少なくありません」