中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

意外と知らないコネ入社組の苦労と苦悩 「太いコネが消えると猛バッシング」「紹介者の手前、辞められない」

コネ入社ならではの苦労とは(写真:イメージマート)

コネ入社ならではの苦労とは(写真:イメージマート)

 就職において、いわゆる「コネ入社」というものは厳然として存在する。コネはコネクションの略で、「縁故採用」と呼ばれることもある。それを不公平に感じる就活生も少なくないが、企業側にとってはそこにメリットがあるから採用している側面があるだろう。とはいえ、コネ入社をした人たちにも苦労はある。「自分はコネ入社でなくてよかった」というネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、これまで接してきたコネ入社組のリアルをレポートする。

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 私は1997年に大手広告会社に入社し、2001年に辞めましたが、慰留はされたものの「お前が辞めたら寂しいだろうよ~」みたいな感じでした。本当に仲が良い部署で、慰留理由がその程度だったんですよ。

 私は残業時間が長すぎたため、もうこりゃ無理だ、と上司に辞意を伝えました。さらに上の上司からも慰留されたのですが、3ヶ月後には円満退社できることが決定しました。それで本当に良かったです。結果的に辞めた後も同社からは仕事をもらってますし、あれから23年経った今でも良好な関係は続いています。ただ、もし私がコネ入社だったら、簡単には辞められなかったことでしょう。

 そもそも、私は元々コネ入社については好意的に見ています。というのも、コネがある人ってのは「最強の営業マン」なんですよ。コネ次第ではありますが、一般入社組よりも多額の利益をもたらす可能性があるわけで、それだけで会社の戦力になりますし、もっと言えば、コネがあったところでその全員が入社できるわけがない。サラブレッドの中からさらに厳選された人材が入ってくるわけです。そんな人材、優秀に決まっているではないですか!

 だから私はコネ入社を揶揄するような風潮には疑問を抱いていました。そして、彼ら/彼女らの苦悩も、間近でたくさん見てきました。

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