年間配当金の「目標額」を設定しゴールを目指して計画的に行動する
配当株投資の一番の楽しみは、受け取る配当金が毎年、着実に増えることです。そのためには、漠然と企業の増配を待つのではなく、自分から積極的に増配を取りに行くことが重要です。
企業の増配を待つだけの「ディフェンシブ」(守備的)な投資を脱して、増配を自ら取りに行く「オフェンシブ」(攻撃的)な投資スタイルを手に入れることが、理想郷にたどり着くための第一歩だと思います。
それを可能にするのが、自分のライフスタイルに合った年間配当金の「目標額」を設定して、そこに向かって計画的に配当株投資を進めていくことです。
目標設定までのプロセスは、次のようになります。
【プロセス1】今期の配当株投資の「枠組み」を考える
年末年始の休みなどを使って、「今期の配当株投資の進め方」を考える習慣を持つことがスタート地点となります。
これから配当株投資を始める人であれば、「自分がどのくらい新規投資できるのか?」を考えてみることです。
すでに配当株投資を始めている人であれば、自分が今期中に得られる配当金の目安がわかっていますから、その額と相談しながら、実現可能な新規投資額を計算することから始めます。
【プロセス2】自分の予算と相談しながら株を買い進める
今季のキャッシュフローの全体像が把握できたら、そのスケールに応じて、企業の株を買い進めていくことになります。100株単位の単元株を買うこともあれば、企業によっては1株でも購入することができますから、自分の予算と相談しながら、淡々と買っていくことが大切です。
【プロセス3】5月頃に企業の決算発表の時期がやってくる
今期の配当株投資をスタートさせて、株を買い進めていると、企業の決算発表の時期がやってきます。
決算発表とは、上場企業が直近の業績や財務状況を開示するもので、その内容は決算期(企業の事業年度の最終月)から、おおむね45日以内に「決算短信」として発表されます。日本企業では、4月から翌年3月までを1年度として、年度末となる3月に「本決算」をする企業が最も多く(3月期決算企業)、決算短信が出るのは4月から5月にかけてとなります。
その決算発表の内容を確認することによって、自分が買って持っている企業の株の前期の配当金がいくらであり、今期はいくらになるのかという配当予想を知ることができます。
この2つが出揃うことで、自分の今年の配当金の全容が見えてきます。
【プロセス4】決算発表に応じて、この先の行動目標を見直す
決算発表の内容を確認して、自分が想定していた以上に増配があって、増配の恩恵を大きく受けられるようであれば、この段階まで無理をして自己資金を投入してきた人は、その投資額を抑えることができます。
無理なく自己資金が用意できる……という人の場合は、引き続き積極的に株を買い進めていけば、目標とする年間配当金を引き上げることが可能になり、早く目標に近づくことができます。
1年を通して「計画」→「実行」→「修正」→「実行」→「修正」……を続けていくことが配当株投資の「肝」となります。
この流れを「仕組み化」しておけば、「自分が何をすべきなのか?」という行動目標が明確になって、モチベーションがアップするだけでなく、「どの銘柄をどのくらい買うか?」と迷う必要がなくなります。
こうしたサイクルを回して、決算期ごとに、「目標設定」→「クリア」→「目標設定」→「クリア」を繰り返していくことが、自分の目指すゴールを引き寄せることになります。このサイクルがイメージできたら、次は年間配当金の目標額を決めるステージに進みます。