全国で「空き家」が増え続けていることが問題となっている。直近の統計では、その数は約900万戸にも達し、地方によっては5軒に1軒超が空き家になるまで深刻化している。だが、人口減少時代の社会経済問題に詳しい作家・ジャーナリストの河合雅司氏によれば、この問題は過疎化が進む地方圏だけの課題ではなく、大都市圏でも、今後ますます事態が悪化する可能性があるという。その深刻な現実をレポート。【前後編の前編。後編を読む】
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空き家が増え続けている。総務省が5年ぶりに実施した住宅・土地統計調査(2023年10月時点)の速報集計によれば、前回調査(2018年)より約50万6000戸増えて過去最多の899万5200戸となった。国内の住宅総数に占める割合(空き家率)も過去最高の13.8%を記録した。
都道府県別の空き家の割合は、和歌山県と徳島県が同率トップ(21.2%)だ。山梨、長野、高知、鹿児島の各県も20%を超えており、空き家問題は人口減少が加速する「地方圏の課題」といった印象を受ける。
だが、実数で順位付けすると、89万7900戸の東京都が最多だ。大阪府(70万3300戸)、神奈川県(46万6200戸)、愛知県(43万3200戸)が続く。
これら4都府県に、東京圏の埼玉県(33万3200戸)、千葉県(39万3400戸)および大阪府と一体的な生活圏を築いている兵庫県(38万5000戸)を含めた三大都市圏の7都府県で計算すると、全国の空き家の40.2%にあたる361万2200戸となる。空き家問題は、住宅の多い大都市圏の課題でもあるのだ。