要介護度が決定すると、【3】ケアマネがケアプランを作成し、【4】介護サービス提供、となる。ここでもプロを頼るのがいい。
「ケアマネの選定は重要で難しい判断ですが、包括に一度尋ねてみるとよいでしょう。包括は公的機関のため、利用者に直接紹介するのは難しい立場ですが、それとなくオススメの人を教えてくれることがあります。
ケアマネを選んだ後は、親のためを思って『転ばないように終始見守りをお願いします』などと要求しすぎないようにしてください。相手はプロですから、いったん信頼関係を結んだら最低限の情報を伝え、“あとは任せます”くらいのほうが、ケアマネのモチベーションが上がるし、良いサービスにつながります」(同前)
施設選びにはプロからの情報を
施設入居を選択する場合も、子は熱心になりすぎないことだ。
施設には、特別養護老人ホームや有料老人ホームなど様々な種類がある。親のためと思って施設や制度の違いを勉強する子も多いが、「徒労に終わることもあります」と川内氏は言う。
「施設の違いは制度上の区分けでしかなく、介護の質を担保するものではありません。親孝行のつもりで費用の高い施設を選ぼうとする人もいますが、ケアマネなどのプロに“親に合う施設はどういうものか”を尋ねて情報を精査したほうが効率的ですし、親のためになる。実は、子よりも他人のほうが、親の実像を理解しているもの。親は子の前では親であろうとしますが、介護現場のプロたちの前ではひとりの利用者として振る舞い、子の知らない姿を見せている。子が考え込むより、そうしたプロから情報を集めて親の性質に合った施設を検討しましょう」