日本語だけでなく英語や韓国語でも
別のK-POPアイドルグループのファンをしている女性Bさん(20代/大学生)は、こうしたセクハラボードは、アイドルの母国語や英語で書かれる場合もあると語る。
「私が応援しているグループのファンは、よくSNSを通じて『セクハラボードは辞めましょう』と自粛を呼びかけています。しかし、実際にライブではそういったメッセージを持参するファンが絶えません。アイドル本人だけでなく、ファンのなかでも不愉快な思いをしている人は多いと思います。
せっかく日本に来てくれている海外アーティストに向けて、日本語ではなく、あえて韓国語や英語などでセクハラメッセージを書いてみせるファンもいるんです。東京ドームなどの大きな現場で、トロッコなどに乗りファンのそばに来てくれたとき、そういったメッセージを見て困惑したり、不快そうな表情をしたりするメンバーを何度も見たことがある。胸が痛いです」(Bさん)
「ファンサがほしい」という気持ちが行きすぎている
なぜそのような「セクハラカンペ」が横行してしまうのか。Bさんは続ける。
「“ファンサ”(ファンサービス)がほしいという気持ちが行きすぎてしまっているのではないでしょうか。他のファンと差別化したい、カメラに抜かれて目立ちたい、そういった欲求が高まって暴走しているんだと思います。音楽、コンサートを楽しむというより、アイドルに認知してもらい、反応をもらうことが最優先になっているんです。
でも、そういう行為は同じファンとして、そして日本人女性として恥ずかしい限り。なにより一生懸命にパフォーマンスしているアーティストに失礼です。女性ファンだからといって、男性アイドルを性的に消費することが容認されるわけじゃありません。アイドルだって感情を持った人間です。今後、こういった応援の仕方がなくなっていってほしいですね」(Bさん)
これまでにも男性ファンから女性アイドルへの応援マナーや、セクハラ的言動が問題視されることはあった。しかし、女性ファンから男性アイドルに向けた性的嫌がらせのようなメッセージが俎上に上ることは少なかったかもしれない。節度とマナーを守って、気持ちの良い「推し活」をしたいものだ。