複数のアイドルグループが出演するアイドルフェスで、“整理番号1番”のチケットを持ったファンが別の来場者から入場時に暴行を受けるという事件が発生した。ライブ会場ではファン同士のトラブルが起こることもあり、“現場のマナー”のあり方が注目されている。
事件が起きたのは、4月21日に豊洲PITで開催された『SACOFES. UNIVERSE』というイベント。会場は座席のないオールスタンディングで、来場者はチケットに印字された整理番号順に入場。若い整理番号を持っていれば、自然とステージにより近い場所を確保することができるという形だ。
そんななか、整理番号1番のチケットを持ったあるファンが、入場時に別の来場者に暴行され怪我を負ったことをチケットの写真や怪我をした様子の写真とともに、SNSに投稿したのだ。この投稿がネット上で広く拡散されると、イベントの公式Xは、トラブルがあったことを認めたうえで、〈被害に遭われたとされるお客様より警察へ被害届をご提出される運びとなり、本件を警察へ引き継ぎをいたしました。その後、警察の指示の上で安全確認を行い、本公演を予定通り進行させていただきました〉と報告している。
このようなアイドルフェスでの暴行事件は、頻繁に起きているのだろうか。アイドル事情に詳しいエンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏はこう話す。
「暴行事件に発展するケースは決して多いわけではありませんが、複数のアイドルグループが出演するオールスタンディングのイベントの場合、“最前管理”という言葉が話題になることは多いです。“最前管理”とは、“最前列を管理する”という意味で、一部の来場者たちが集団となって最前列を占拠することは珍しくありません。
複数のアイドルグループのファンが共同で最前管理をすることもあり、その場合は自分が応援するグループの出番のときは最前列でライブを楽しんで、別のグループの出番のときはそのグループのファンに最前列を譲る、といったこともあります。
ただ単にファン同士で“いい場所”を融通しているだけのようにも見えますが、かなり強引な形で場所取りをしたり、“最前管理組合”に入っていないほかのファンを力ずくで排除したりと、一部には明らかなマナー違反を行うファンもいて、アイドル現場では批判の対象となっています。今回のトラブルもおそらく強引な最前管理によるものだと思われます」