雨の日には、入口にビニールの「傘袋」を設置する店も多い。濡れた傘が商品に触れたり、店内の床に水滴が落ちたりするのを防げるアイテムだが、傘袋に入れない客もいるほか、入れても店を出る際の捨て方がなってないなど、傘袋をめぐって店側も大きな苦労を抱えている。一方で、「傘袋を使いたくない」という客もいるようだ。傘袋について、店員・客側それぞれの思いを聞いた。
「お入れしましょうか?」と声かけもスルー
小売店勤務の30代女性・Aさんは、雨の日にビニールの傘袋に入れない客は少なくないと言う。
「傘袋を店頭に出していると、日本人のお客様は大体入れてくれる印象ですが、おそらく観光で来ている外国の方は基本スルーの方が多いですね。習慣がないのだと思います。
床に水滴が垂れているとどうしても滑りやすくなり、転ぶリスクもあるので、こまめに拭きますが、傘袋を入れていないお客様に気がついた時には、『どうぞ』と手渡すこともあります」
しかし、「断られることもある」のだという。Aさんが続ける。
「手渡すだけじゃなく、様子を見て『お入れしましょうか?』と声をかけることもあります。単に傘袋に入れるのが面倒だという方が多いので、ほとんどの場合素直に傘を渡してくれるのですが、『あ、大丈夫です』『すぐに店を出るので』などと言って断られることもしばしば。特に外国の方は何をするためのものかわからないようで、怪訝な顔であしらわれてしまいます」(Aさん)