洗濯機といえばかつては「縦型」が主流だったが、最近では横開きの「ドラム式」が広まりつつある。おしゃれな見た目はもちろん、節水や洗濯物の出し入れのしやすさ、ボタン一つで洗濯から乾燥まで終わる利便性などのメリットが購入の決め手となった人も多いのではないだろうか。だが、いざドラム式を導入したはいいものの、縦型を再評価するようになった人や、中には縦型に“出戻り”する人もいるようだ。いったい何が問題だったのか。ユーザーたちにその理由を聞いてみた。
家が古いせい?まさかの「臭い問題」が発生
「導入した当初は、雨の日も生乾きの心配なく、洗濯機にただ放り込むだけで済むので、こんな楽なものはないと思っていました。おしゃれなドラム式洗濯機を眺めては惚れ惚れしていました」
そう明かすのは、メーカーに勤める30代男性・Aさん。だが、浮かれていた時期も束の間だった。想定外の「臭い問題」にぶつかることになったからだ。
「私が使用していた機種では、乾燥機能を使用した後、洗濯機の扉を開けた瞬間に下水のような臭いがすることが頻発しました。最悪なのは、その臭いが洗濯物に染みついたこと。大きなバスタオルや折目が複雑で乾きにくいズボンなどに顕著でした。除菌系の洗剤や酸素系漂白剤でやっと落ちる感じでした」(Aさん)
後に臭いの原因は、その機種が採用する乾燥方式によるものだったことが判明。仕様上、乾燥中に排水管から臭いが上がってくるのだが、Aさんは、「水道が古くなっていたり水の出が弱いと、この臭い戻りが起きやすいようです。僕の家は築32年(大規模修繕なし)。そんなこと知らないよ……という感じでした」とボヤく。
「正直、こんなはずじゃなかったというのが本音です。臭いがとれず、捨てた服もいくつかあります。もともとは私が『家事負担が減るから』と主張して、縦型より高いドラム式を妻に猛プッシュしてしまって導入したから、妻にも気まずい。あと、うちの機種はなんだか時間がアバウトなんですよね。
電源を入れて、モードを選んでから洗い出すまでに2~3分。測るのに時間がかかっているようで、さらに水が入り始めるまでに早くても1分半くらいかかります。時間も、『50分』と表示されていてももっとかかることがよくあって、最大で15分以上遅れることもあります。どうやら脱水や乾燥に入る際、洗濯物が片寄っていたりすると、なかなか高速回転に入らないようです。家事ストレスを減らそうとしているのに、朝の忙しい時にこの『遅い問題』が発生すると、妻も私も『もう、早く!!』なんて洗濯機のところで叫んでます(笑)。
ざっと15万円もした今のドラム式より、それまで10年以上使っていた数万円の縦型の方が断然良かったです。高かったので、なるべく長く使いたいんですが……」(Aさん)