マイホームは人生の中でも一、二を争う高い買い物。しかし、「タワマンのモデルルームを見学して冷静な判断ができなくなり、高すぎる物件を買ってしまった。ローン返済がきつい」「内装がおしゃれな中古のリノベ物件を買ったら、住み始めてすぐに設備の不具合があちこちで生じて、余計な出費を強いられている」など、失敗談もよく聞く。
一生に一度の買い物で失敗をしないためにはどうすればよいのか。マンションにまつわる様々な「落とし穴」を実例とともにまとめた新刊『マンションバブル41の落とし穴』(小学館新書)が話題の、さくら事務所会長の長嶋修さんに「失敗しないマンション購入」のポイントについて、あらためて話を聞いた。
マイホームを買いたいと思うタイミングは、人それぞれ異なる。多くの人は、ライフステージが進んでいくに連れて、自然と家がほしいと思うようになる。よって、不動産市場の動向に合わせて家を買うというのは、そう簡単なことではない。「今は不動産が値上がりしているから、しばらく様子を見よう」と思ったとしても、次に不動産がいつ値下がりするか予測するのは至難の業だ。
そのため、「原則的に、マイホームはほしいと思ったときが買い時です」と、長嶋さんは語る。ただ、昨今は都心部でマンション価格が高騰し、東京23区に至っては平均価格が1億円の大台を突破している。“職住近接”の環境を求める一般的な所得のファミリー層にとっては、買いたくても買えないというのが本音のところだろう。
とはいえ、この“平均”を見ることにはあまり意味がないとも、長嶋さんは指摘する。