ほかにも、中古物件には新築にないメリットがある。価格が安くなることはもちろんだが、特筆すべきは「管理」の状況を確認できる点だ。マンションの共用部分を見学して、どこか荒んでいたり、明らかなルール違反が見られたりする場合には、管理に問題があると言える。そのようなマンションは、なるべく避けたほうがいい。
ほとんどの場合、清掃や保守点検などの実務を担うのは管理会社だが、その雇い主はマンション住民によって構成される管理組合だ。
「最近は人件費の高騰などの影響で、管理会社を雇うお金が高くなってきています。物件によっては住民から管理費を徴収できず、管理会社を雇えなくなって、住民による自主管理の体制になっているところも。住民がマンション管理アプリなどを活用し、上手に自主管理をしてコスト削減に成功しているマンションもありますが、多くの自主管理マンションは管理不全に陥り、ひどい場合だとスラム化まっしぐらという事例もあります。管理の状況を見ずに買うと、最悪の場合、同じ轍を踏む恐れがあるのです」
組合理事会の議事録を見れば、トラブル対応や財政状況がわかる
また、マンションには大勢の人が住むので、その中に“モンスター住民”が潜んでいることも少なくない。家をゴミ屋敷にしたり、共有部分を使うときのマナーが悪かったり、ほかの住民に対し、過剰なクレームを入れたりするモンスターが近くにいたら最悪だ。
マンションでこうした住民間トラブルが発生した場合、管理組合の理事会の議題として取り上げて、対応を検討することになっている。そのため、過去の議事録を見れば、そうしたトラブルの有無や、トラブルに際してどのような対応がとられたかもチェックできる。
「通常、議事録はそのマンションの利害関係者しか閲覧できませんが、購入を検討している段階の人も利害関係者にあたるため、要請すれば中身をチェックすることは可能です」