住まい・不動産

中古マンション購入で失敗しないためのポイント “モンスター住民”の有無を簡単に確認する方法、修繕積立金が安値のままの物件は要注意

 議事録には、管理費や修繕積立金の滞納の有無や、値上げなどの履歴も記載されることになっているので、そちらも確認したほうがいいだろう。修繕積立金とは、マンションの建物や共用部分を維持・管理するための大規模修繕工事に備えて、住民が毎月積み立てるお金のこと。

「多くのマンションは、新築当初は修繕積立金を安く抑えて、数年ごとに値上げしていく『段階増額積立方式』をとっています。そのため、議事録に値上げの記載があるのは当然のこと。逆に問題なのは、修繕積立金が予定通りに値上げされず、安値のまま据え置かれている状態です。住民が反対していると積立金の値上げができないので、そのままズルズル行ってしまい、工事をしなければならない段階になって、積立金が全然足りないというのはよくある話です」

 かといって、工事をしないとさまざまな不具合が生じ、居住快適性が下がったり、タイル剥落などの事故につながって、身の安全が脅かされたりする恐れがある。そのため、工事直前になって、臨時で100万円以上もの修繕積立一時金を徴収されるケースも。マンション購入後になってこのような事態に見舞われないよう、修繕積立金の積立状況については事前に確認しておいたほうがいいだろう。

 ただ、こうした調査を素人がすべて自力でやるのはなかなか難しいかもしれない。マイホームは高額な買物なので、安心を買う気持ちでホームインスペクター(住宅の調査を行う専門家)などに依頼し、第三者目線で物件の良し悪しを診断してもらうのも一案だろう。

不動産コンサルタント・長嶋修さん

不動産コンサルタント・長嶋修さん

【プロフィール】
長嶋修(ながしま・おさむ):1976年東京都生まれ。不動産コンサルタント。さくら事務所会長。1999年、不動産コンサルティング会社「さくら事務所」創業。著作に『バブル再び 日経平均株価が4万円を超える日』など多数。最新刊は『マンションバブル41の落とし穴』。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。