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【発掘・日本株】「ここから2年で株価倍増」が狙える大化け株 生成AI、核融合、ペロブスカイト電池…藤井英敏氏が選んだ有望テーマのど真ん中銘柄5

大化け期待の5銘柄をカブ知恵代表の藤井英敏氏がピックアップ 大化け期待の5銘柄をカブ知恵代表の藤井英敏氏がピックアップ

 今年3月に日経平均株価が史上初の4万円台を突破して以降、伸び悩む展開が続いているが、「今後インフレの加速に伴って、日本株は中長期的な株価上昇が期待できる」とカブ知恵代表の藤井英敏氏は予測する。そうしたなか、「2年で株価倍増も見込める」という大化け期待の5銘柄を藤井氏が厳選、そのポイントを解説する。

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 欧米では過度なインフレを抑え込むために利上げが進み、すでにインフレが鈍化する一方、長引くデフレにあった日本ではまさにこれからインフレが加速する見込みだ。インフレ時は株価が最も上がりやすく、先進国のなかでも日本株が最も魅力的な投資対象になるとみて間違いないだろう。

 とはいえ、時価総額の小さな小型成長株に「大化け」が期待できるかと言うと、なかなか難しい面もある。東証グロース市場250指数(旧・東証マザーズ指数)をみても“沼にハマっている”ような状況で、よほど景気が上向かない限り、当面は資金の流入は見込めないのではないか。

 そこで目を向けたいのが、世界的な潮流に乗るテーマに沿って、かつ日本の国策が追い風となって中長期的な株価上昇が期待できる銘柄。それを享受できるのは、東証の3市場のなかでも、流動性の高い「プライム」や「スタンダード」に上場する銘柄だろう。「大穴狙い」で「グロース」上場の小型成長株のなかから探すよりも、よほど効率がいいはずだ。そのような中長期的に有望なテーマに乗る銘柄を5つ、ピックアップした。その注目ポイントについて解説していこう。

藤井英敏氏厳選「2年で株価倍増」狙える大化け株5選 藤井英敏氏厳選「2年で株価倍増」狙える大化け株5選

ディスコ(東証プライム・6146)

【注目ポイント】
 生成AIに不可欠な高性能半導体(GPU)を手がける米エヌビディアの業績が絶好調なように、半導体関連は世界的にも有望なテーマであり、国策でもあることは疑いようがない。日本企業では東京エレクトロン、ディスコ。レーザーテックなどがまさに“ど真ん中”といえ、そのなかでも注目したいのはディスコだ。

 同社は半導体や電子部品向けの切断・研削・研磨装置で世界トップ。半導体業界の需要の変動は激しく、同社も業績予想については「1四半期先までの開示」としているが、それでも過去最高水準の出荷が続く見込みだ。国内の半導体関連のなかでも「生成AI向け需要の恩恵の最も大きい銘柄」との見方も強く、エヌビディアが連日、上場来高値を更新したのを受けて、同社の株価も5月末には上場来高値を更新するなど上昇基調となっている。生成AIが本格化するのはこれからで、同社の業績拡大はまだまだ続くことが期待される。

(※なお最低購入価格は600万円前後と高く、新NISAの成長投資枠ではそのまま買えないが、ミニ株など単元未満株投資などで購入する手もある)

三菱重工業(東証プライム・7011)

【注目ポイント】
 日本を代表する総合重機メーカーで、「航空・宇宙」や「防衛・安全保障」「水素」など幅広いテーマを有するが、長期的に最も注目したいのが「核融合」。核融合は、太陽をはじめとする宇宙の星々が生み出すエネルギーの源であり、これを発電などに使用することを目指すのが核融合エネルギーの研究開発。いわば「地上に太陽をつくる」研究だ。同社は南フランスで建設中の核融合実験炉向けに重要部品を受注するなど、その成果は目に見えつつある。

 業績は過去最高となった2023年度に続き、2024年度も増収増益を見込む。そのうえ将来的なテーマの成長・拡大も見込めるため、投資妙味は高い。もし日本株のなかで1銘柄だけ投資するのであれば、同社を選ぶという投資家も少なくないのではないか。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(東証プライム・8306)

【注目ポイント】
 メガバンク首位で、これから本格化する「インフレ・金利正常化」関連として要注目だ。日銀がマイナス金利を含む異次元緩和策を解除に踏み切り、金利の正常化に向かうなか、本業である利ざやの拡大が見込めるのはもちろん、国内のみならず世界経済の成長を取り込める事業ポートフォリオを評価したい。同社の事業は国内44%、米国29%、アジア22%となっており、世界に幅広く展開している。業績も2023年度に記録した過去最高益を2024年度も更新する見通しとなっている。増配や自社株買いなど株主還元にも積極的だ。

K&Oエナジーグループ(東証プライム・1663)

【注目ポイント】
 天然ガス・ヨウ素の開発・生産から供給・販売までを行なう国内最大のエネルギー供給グループで、最大の注目は「ペロブスカイト太陽電池」関連。これは従来の太陽電池よりも「薄く、軽く、曲がる」という特性を持ち、ビルの外壁など場所を選ばずに設置でき、製造工程が少なく低コスト化が見込めることから、“次世代電池の本命”ともいわれている。すでに積水化学工業が実証実験を行なうなど開発が進み、今年5月には経済産業省が官民協議会の初会合を開き、量産化に向けて官民一体の取り組みが進んでいる。

 この「ペロブスカイト太陽電池」の主要材料となるヨウ素は日本が世界シェア第2位(世界生産量の約30%)を占め、輸入に頼ることなく安定供給が可能となる。なかでもK&Oエナジーグループが本社を置く千葉県は日本のヨウ素生産量の約80%を占め、同社では国内ヨウ素生産量の約15%、世界生産量の約5%を生産しているため、今後は爆発的な需要増が期待される。

湖北工業(東証スタンダード・6524)

【注目ポイント】
 アルミ電解コンデンサ用リード端子で世界シェア60%以上の同社で注目したいのは「海底ケーブル・データセンター」関連。生成AIの進展などで情報通信の需要は爆発的に増加し、膨大なデータを処理するデータセンターが世界各地で乱立している。そうした海を越えた膨大なデータのやりとりを支えているのは海底ケーブルであり、同社は海底ケーブル用の光部品(光アイソレータ)で世界シェア50%以上の実績を持つ。

 5月27日には、次世代海底ケーブルシステム向けに伝送容量を飛躍的に拡大する新たな光部品をKDDI総合研究所と共同で開発したと発表。今年からサンプル出荷を進め、2026年以降の量産化に期待が高まっている。今後ますます通信データが膨大になっていくのは間違いなく、そんな時代が同社の追い風になっていくことが期待される。

 いずれも国策が後押しするなど中長期的に有望なテーマを持つ銘柄なので、安心感と成長性を兼ね備えた銘柄といえるだろう。

【プロフィール】
藤井英敏(ふじい・ひでとし):1965年生まれ。日興証券、フィスコを経て、カブ知恵代表に。個人投資家向けに各種レポートの作成・販売を行なう。

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