結果、売却益どころか、老後資産が目減りしてしまったというケースが珍しくないという。
加えて次の住まいに移るための引っ越し費用も必要となり、「総諸費用は最低でも100万円程度はみたほうがいい」(同前)という。
また転居後に想定外の費用が生じることもある。
子供の独立後に横浜市内の分譲マンションを手放し、千葉県郊外の中古マンションを購入した60代男性が言う。
「夫婦2人暮らしだからとダウンサイジングで選んだ中古マンションの修繕積立金と管理費が、昨年から1.5倍、1万5000円に跳ね上がりました。築23年と古い物件で退去者も増え、修繕積立金が枯渇してしまったとのこと。値上げしてもまだ足りないそうで、今後は修繕が行き届かずボロボロの物件になってしまうのではと心配です」
前出・滝島氏が言う。
「中古マンションの修繕積立金や管理費に関する相談は多く、確認不足により起こりがちなトラブルです。業者は契約時に修繕積立金の状況が書かれた『重要事項調査報告書』を渡しますが、噛み砕いては説明してくれません」
※週刊ポスト2024年6月21日号