史上最高額は10億8000万円から一気に25億円へ
前出の全国紙経済部記者が言う。
「2013年4月に完成した『グランフロント大阪オーナーズタワー』の最上階は4億1500万円でした。それが第二期工事で来年3月に完成する『グラングリーン大阪 ザ ノース レジデンス』では、先行開発から12年後の物件とはいえ最上階(305平米)が25億円ですからね。値上がりの勢いがすごい。
『グラングリーン大阪 ザ ノース レジデンス』の目玉は約4.5ヘクタールの『うめきた公園』を一望できる眺めに加え、5~18階の28戸には車専用エレベーターで自家用車のまま住居のリビング横まで乗り入れられる『カーギャラリー』を併設しています。共用部には400平米の『屋上庭園』や『スカイラウンジ』がある。
一般販売の前に富裕層向けに説明会を開いており、先行説明会で一部の部屋はもう売れているそうです。平均価格は2億3200万円で、最低が1億円。2月に第1期販売をしたところ即日完売で、抽選倍率は平均17倍、最高倍率は95倍だそうです」
大阪では、こうして新しい大型タワマンが登場するたびに最高価格が更新されている。2021年に完成した西梅田の「ブリリアタワー堂島」が10億8000万円で大阪の最高分譲額を更新したが、「グラングリーン大阪 ザ ノース レジデンス」の25億円があっさりと記録更新した。
「こうなると、他の中古物件も引っ張られて値が上がる。大阪のタワマンは東京よりも割安なのが魅力だったわけで、だからこそ投資用以外の需要が約7割を占めるとされてきた。しかし、頂点となる新築物件の分譲価格が急ピッチで上がっていくと、それに引きずられて周りの物件も価格が急上昇する。だんだん、普通の会社員が居住用として購入にはかなり厳しい状況になってきている。それでも本当に需要はまだ衰えないのか。来年の大阪万博に向けて、タワマン市場がどうなるのか予想がつかない状況になっている」(前出・全国紙経済部記者)
バブルの様相を呈す大阪の不動産市場の行方はいかに。