中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

【グローバルスタンダード】姫路城の入城料「外国人=30ドル」に値上げ検討の市長に喝采 「自国民を優遇するのは当たり前」

批判が出ても「これがグローバルスタンダードだ!」と突っぱねるべき

 こうしたことから姫路城の「外国人=30ドル」、もっとやれもっとやれ!と思います。何しろ日本は物価が安過ぎる。

 オーバーツーリズムの問題は世界的に深刻で、スペインのバルセロナでは「外国人観光客は帰れ」といった横断幕まで出される事態となりました。この気持ち、わかります。「インバウンド需要がー!」と言いますが、正直、一般的な日本人がその恩恵を実感する機会はほとんどありません。

 令和6年版「観光白書」によると、2023年の日本人国内旅行消費額は21.9 兆円、一方で同年の訪日外国人旅行消費額は過去最高を記録したといっても5.3兆円。国内では圧倒的に日本人の観光需要のほうが大きいわけです。

 そんな状況のなか、日本人が高額のカネを払って電車や飛行機に乗るのに、外国人は激安価格の周遊券を使って毎日新幹線に乗れる。一体なんなんですか? いつまで自分達をリッチな国だと誤解してるんですか!

 いいですか? 日本はもはや貧乏国家です。そんな国は外国から来る客からたんまりとカネを取り、それでいて永続的に来てくれるであろう日本人のことを安くもてなすべきなのです。今回の姫路城の施策はまさに時流を得たもの。

 正直、私が2000年代中盤まで毎年4回ほど行っていた京都、もう行く気はありません。いかんせん観光客が多過ぎる。どこへ行っても混んでいるし、どいつもこいつもスマホを使って撮影ばかりしていて歩くことすらままならない。

 あぁ、オレが愛した京都よ、いつかその姿を取り戻してくれ……。そう思う気持ちを今回の姫路城の英断には感じるのであります。今後「差別だ!」などの批判は出てくることでしょうが、姫路市の清元市長は「これがグローバルスタンダードだ!」と突っぱねてほしいと思います。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など多数。最新刊は『日本をダサくした「空気」』(徳間書店)。

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