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【グローバルスタンダード】姫路城の入城料「外国人=30ドル」に値上げ検討の市長に喝采 「自国民を優遇するのは当たり前」

日本人だけでなく多くの外国人観光客も訪れる姫路城

日本人だけでなく多くの外国人観光客も訪れる姫路城

「白鷺城」の愛称で親しまれている、世界遺産・姫路城(兵庫県・姫路市)の入城料の行方が注目を集めている。姫路市の清元秀泰市長は6月17日、外国人観光客を対象とした値上げを検討していると表明、「外国人観光客は30ドルくらい、市民は5ドルくらい」と価格差をつける案も提示した。現状の入城料は、18歳以上は1000円(小学生から高校生は300円)だが、仮に外国人が30ドルとなれば、今のレートで約4700円となる。2023年に姫路城を訪れた人は約148万人で、そのうち外国人観光客は約45万人。市長のこの発言に対し、頻繁に海外旅行をするネットニュース編集者・中川淳一郎氏は「大賛成!」と述べる。その真意についてつづった。

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 待ってました~! 日本の観光地でコレ、やってほしかったんですよ。別に外国人を差別するとかそういうことではなく、基本的に「自国民を優遇する」ってのは当たり前だと思います。入国時はどこの国だって自国のパスポートを持っている人はガラガラのカウンターをすいすい進み、外国パスポートの人は長い行列に並ぶわけです。

 それが「自国民」のあるべき姿なのです。何しろ自国民は、その数日~1週間だけその国にお金を落とすのではなく、日々生活しながら納税をし、国の在り様に貢献する貴重な存在。その人たちを優遇しない理由はありません。

 しかも日本はいまや「発展途上国」ならぬ「衰退途上国」。欧米を中心とした外国人観光客が牛丼チェーンの牛丼を「コレが2ドル50セントで食べられるのか!?」なんて喜ぶさまを見ては「外国人観光客が日本の牛丼のコスパの良さを絶賛」なんて、お人好しなネット記事が出る始末。挙句の果てには「日本のスタジアムグルメに外国人感激『コレはわが国なら37ドルする!』」なんて記事が出る。

 あのさ、日本の物価の安さをバカにされてるのよ。いいですか、日本はもう貧乏国家で「安いニッポン」なんです。外貨をもたらす人々からはよりたくさんカネをもらう必要があるぐらい、惨めに落ちぶれているんです!

 だったら恥も外聞も捨てて、とにかく外貨を稼ぎまくるしかない。それにあたり、姫路城のこの宣言は素晴らしい! もう、金閣寺も銀閣寺も清水寺も、なんだったら新幹線の駅の弁当屋も「二重価格」をやってしまってほしいわ。

 この「二重価格」について「んマッ……」とまゆをひそめる向きもありますが、コレは世界では当たり前です。たとえば中国にだってあるし、私がよく旅行に行くタイにだってある。「寝釈迦」で知られる寺院・ワット・ポーは、タイ人は無料ですが、外国人は300バーツ(約1200円)です。

 いずれも「お前らカネ持ってるんだろ!」ということからこのような二重価格を採用しているのでしょう。そこで得た費用は、オーバーツーリズムから観光名所を守るためにも使われています。一方、「先進国はそんなことはしない!」なんて言いたくなるかもしれませんが、フランスが誇るルーブル美術館の入場料は、一般価格は22ユーロ(約3700円)でも、EU諸国の若者などは無料となっています。

 エジプトのピラミッドも、エジプト・アラブ諸国の人は約200円で、その他の国の人は約1800円となっているのです。

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